祭典・行事
「お祭り」というと、御神輿を担いで町内を練り歩く光景を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、お祭りで最も重要なのは、神様を「まつる」、つまり神様に感謝し、慰め、あるいはお願いすることです。「おまつり」は、神様に食べ物を供えることからはじまります。
お供えする食べ物を、正式には「神饌」と呼びます。すこし難しい印象を受けますが、身近なものを挙げるのならば、お正月に飾る鏡餅は神様へのお供えですから「神饌」といって間違いありません。
通常、多くの神社ではふつう、洗い米にお酒、魚介類・野菜など、生のものをそのまま御神前にお供えします。このような神饌を「丸物神饌」あるいは「生饌」と呼びます。これは、明治時代に「すべての神社共通のルールを作ろう」と定められたためで、それ以前には、調理したものがお供えされていました。これを「熟撰」とよばれ、通常の丸物神饌とは異なることから「特殊神饌」と呼びます。
「熟撰」あるいは「特殊神饌」は、その地域独特の食文化や、神社ならではの特色が見られます。例えば、当宮では、御祭神である菅公の御生誕日に行う神事、御誕辰祭において、菅公が愛したと伝わる梅をお供えします。
内陣に菅公御遺愛の松風の硯・角盥・水差と短冊・筆・墨を供え書道の神様としての御神徳を偲ぶ。
春の七草を入れた御粥を供える。
小豆を入れた御粥を供える。
大豆を供える。
梅花御供と呼ばれる大小二台の容器に盛られた4斗の米「大飯」「小飯」、筒状にした紙に玄米を敷き紅白の梅枝を挿した紙立と呼ばれるものを供える。
青い柏の葉で包んだ御飯とクルミ、梅水の神饌を供える。
境内で採れた青梅を供える。
府内外の茶生産地より奉納された新茶を供える。
ナス・キュウリなどの夏野菜とマクワに箸を刺し通し素麺をかけた特殊神饌、みたらし団子などを供える。
ずいき芋や里芋、月見団子などを供える。別名「芋名月」とも呼ばれる。
氏子の西ノ京の農家が丹精込めて作った夏野菜を奉献する。また、令和2年(2020)の例祭では、古絵図から御菓子神饌が復元された。
枝豆や栗、月見団子などを供える。別名「豆名月」とも呼ばれる。
かつて西京神人と呼ばれた人々でつくる「七保会」によって調製される「甲御供」が、御旅所で奉饌される。
通常の神饌に加え、黄菊と白菊、野グミが供えられる。
抹茶の原料である碾茶を、それぞれの産地に分け茶壺に入れられて奉献される。
赤くなった柏の葉で御飯を包み、クルミを添えてお供えする。
開門時間
7時〜20時